養老二年(AD718)僧行基が甲斐の国を 訪れたとき、勝沼の柏尾にさしかかり、 日川の渓谷の大石の上で修行したところ、満願の日、夢の中に、右手に葡萄を持った薬師如来が現れました。行基はその夢を喜び、早速夢の中に現れたお姿と同じ薬師如来像を刻んで安置したのが、今日の柏尾山大善寺です。以来、行基は薬園をつくって民衆を救い、法薬の葡萄の作り方を村人に教えたので、この地に葡萄が 栽培されるようになり、これが甲州葡萄の始まりだと 伝えられています。
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トンネルワインカーヴとは、明治36年に作られたレンガ造りのトンネルを利用したワイン貯蔵庫のことです。廃線になったためJR東日本より無償で譲り受け有効活用した施設です。全長は1,367.8m、幅3.57m〜3.74m、高さ4.9mのトンネル内にはワイナリーやワイン貯蔵庫として利用されています。カーヴ内の温度は年間を通じて6?14度、湿度は45?65%とワインの熟成には最適な条件がそろっており、約100万本のワインを貯蔵できます。ワインメーカー用(蔵置場)と個人用のユニットが用意されていて、レストランや個人用の1ユニットはワイン300本が収容可能で保管料は1か月2500円です。ユニットごとに施錠ができ、保管には万全を期してあります。また、ワインカーブ内は入口付近の見学もでき、管理事務所では観光案内とワインの販売も行っています。
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勝沼にある、甲州種のぶどうの最高齢樹。日本最古のぶどうの樹「甲龍」は樹齢百年を超える現在も甘い葡萄をたわわに実らせており、その葡萄からオリジナルワインも造られています。残念ながら非買品です。中央園にある「甲龍」は大正時代に植えられえたという甲州種ですの木です。昔ながらの技術が施されている古木が残っているのは、とても珍しいそうです。天然記念物で、今でも元気にぶどうの実を実らせている姿は感動的。
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明治の鉄道遺産「大日影トンネル」は明治36年に開通し、その後のぶどうやワインの輸送に大きな影響を与え周辺地域に大きな革命をもたらしました。平成9年にその役目を終えた後、平成19年8月29日の開通式をもって遊歩道として新たにスタートしました。壁面は重厚なレンガで覆われ、昭和初期まで現役だった蒸気機関車の煤がこびり付いたままです。レンガは「英国式」と呼ばれる配列様式を採用しています。地盤の弱い一部には花崗岩をはめ込みました。大量のレンガを確保するため、現在の同市塩山牛奥に専用のレンガ製造工場を設けたほどでした。鉄道用トンネルを転用した遊歩道としては「おそらく全国で最長」、「鉄道ファンの方だけでなく、訪れる多くの人に歴史へ思いをはせてほしい」(甲州市)と話しています。毎日9時〜16時の間、無料で通行できますが、片道30分かかりますので通り抜けをする場合は時間に余裕をもって見学しましょう。
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